えむくろの楽屋裏

音MADとかニコニコメドレーとか語ってみます的な

ニコニコメドレーの文脈を汲んだ「公式ニコニコメドレー」という存在について

この記事はニコニコメドレーシリーズ Advent Calendar 2023に参加しています。

ニコニコ動画の文化が外にまで広まっていく事例、今どき珍しくもないかと思います。
そして実はニコニコメドレーについても黎明期からそういう展開を見せた事があったりします。
要するに本職、マジモンのプロによりニコニコメドレーの文脈を汲んで作られた「公式ニコニコメドレー」それが複数存在するのです。
メドレー形式の楽曲は数あれど、例えばタイトルに「組曲」が含まれている等で明確にニコニコメドレーを意識しているものがあるというわけです。
もしかしたら自分の知らない作品もあるかと思いますが、知ってる範囲で5作を紹介させていただきます。

1. 組曲らき☆すた動画」

2007年末にリリースされた、おそらくは世界初かもしれない公式ニコニコメドレーです。
ボーカル楽曲のみならずBGMも採用されており、公式作品である強みとして本家ボーカルが組み込まれています。
2009年のライブではアンコール枠として採用され、ニコ動のコメント演出という形で本家『組曲』をリスペクトしております。(ニコニコ大百科より)

2. ランティス組曲 feat.Nico Nico Artists

3. ランティス組曲 2014

前者は組曲らき☆すた動画」からの流れで2008年に同じくランティスからリリースされた、歌い手とのコラボ作品となります。
後に「feat.Lantis Artists」としてランティス所属歌手によるバージョン違いが作られています。
後者はランティス創立15周年記念作品として生まれ、収録曲のほぼ全てが一新されております。

4. Queen of MOSAIC.Girls

5. AKIBA-POP И GAL GAME組曲

前者は2013年のMOSAIC.WAV結成10周年記念アルバム、その初回限定盤にて収録されています。
メドレーアレンジではあるものの、過去作品の登場人物が掛け合いを繰り広げるような歌詞に組み直されております。
そして後者にも共通している要素としていわゆる「ラッシュパート」を導入しており、ニコニコメドレーとしての色がより強く出ています。

そしてそれぞれに対応する「非公式ニコニコメドレー」も存在するわけで、関連作品としてサックリ紹介します。

EX1. らき☆すた動画『裏組曲』

本家未選出楽曲で構成された作品であり、ニコニコ動画『裏組曲』のリスペクトも兼ねております。
尺を合わせているのが匠の技を感じます。

EX2. アトランティス!

本家ランティス組曲系列の未選出楽曲により構成された作品です。
こちらもコンセプト的には裏組曲に通じるものがあります。

EX3. We Love "MOSAIC.WAV"!!

MOSAIC.WAV結成20周年を祝して制作したメドレーです。
まさか御本人が歌ってみたという超展開に至るとは想像もしませんでした。

公式でも非公式でもそれぞれの良さはあるわけで、楽しめればそこに上下はありません。
ニコニコメドレーはナンボあってもいいですからね。

オリジナルメドレー音MAD合作におけるメドレーの「作り方」と「頼み方」

当記事は第2回ニコメド記事投稿祭に参加しております。
他にも多数の記事が投稿されてるので要チェックです!
そして今回はオリメド合作の立ち上げ方の続論となります。

 

■はじめに
音MAD合作に書き下ろしのオリジナルメドレーが使われる風潮になって早十余年。
ニコメド作者視点で「どうやって作ればいいのか」
音MAD作者視点で「どうやって頼めばいいのか」
双方の立ち位置による疑問点を軽くながら解説していくのが当記事の主旨です。

 

■オリメド合作の選曲形式について
まずは「どの曲をメドレーに採用するか」
これについては企画ごとに大きくスタイルが変わります。
・提示曲を過不足無く使い切る(ブロリー合作)
・提示曲から自由選曲(初代VTuber合作)
・提示曲+自由選曲(エルシャダイ合作・クッソ―☆合作3)
・主催兼任自由選曲(ツクダ合作・一人合作)
・依頼時点で構成が決まっている(エア本合作・国際的男尻祭2019)
上のものほど構成難度が高いです(更に別のスタイルもあるかもしれません)
如何にして選曲パズルを組み上げていくかで頭を抱えた事もあります。
何にせよ一定水準以上の構成力が試されます。
個人で全体を作るか複数名のメドレー組で分業するか、後者の場合だと選曲振り分けも課題に入ってきます。

 

■オリメド制作依頼を受けるには?
これは「ニコメドの実績を上げるしかない」と思います。
量を上げれば目に付きやすく、質を上げれば信頼されやすくなります。
特に「音MADメドレー」の制作経験があると尚良しかもしれません。
また、一度オリメド制作を経験すると案件が依頼を呼ぶループに突入する可能性が結構ありそうです。
実際自分はそうして10本以上(うち自身主催3本)のオリメドを書き下ろしました。
やはり前記事でも述べたとおり人脈が大事で、音MAD作者として築いてきた縁がそういう方向に活きたものと思います。

 

■では逆にオリメド制作依頼を出すには?
「オリメド頼みたいけど断られたらどうしよう」そう思う方は結構いるかもしれません。
しかし、ニコメド作者の中には乗り気で受けてくれる方が意外といるものです。
そこで誰に頼むかという話ですが、やはり過去作品をポートフォリオとして参考に人選を進めるのがいいでしょう。
先のニコメド実績がここに掛かってくるわけです。
そして更に踏み込んだ考え方として、依頼を受けてくれた方にメドレー組の人材確保を頼む手もあります。
要は「友達の友達作戦」といったところです。

 

■後書き
オリメド合作文化は初代男尻祭(2009年)に始まりホンキ英雄譚(2010年)が続き、初代お許しくだ祭(2011年)で完全に定着した感があります。
既存メドレーを使うより自由度が爆上がりしますが企画難度は依然として高く、主催の手腕が試されます。
そして結局のところ人脈ゲーである事に変わりはありません。
音MADとニコメドの心理的障壁を取っ払う、難しいところですが余程のウザ絡みしなければ大丈夫かと思います。
それでは、良き合作ライフを!

月刊ニコメド情報局#1【2021年1月号】プレイリスト

■本編


■1位


■2位


■3位


■4位


■5位


■ピックアップ1


■ピックアップ2


■ピックアップ3


■ピックアップ4


■ピックアップ5

オリジナルメドレー合作の立ち上げ方を考えてみる

まずはじめに「推しジャンルのオリジナルメドレー合作が見たい!」そう思った事はありませんか?
かく言う自分はツクダメドレー合作が見たいあまりにメドレーからツクって『ツクツク動画超連弾』を立ち上げました。
そうです!見たいならYOUやっちゃいなよ!!
というわけで超連弾主催の経験からアレコレ語ってみます、参考にしていただければ幸いです。
個人的に今後の為の備忘録も兼ねて。

 

■企画概要を考える
まずは企画の方向性及び規模、そして投稿日をはじめとするスケジュールを考えましょう。
超連弾を例に挙げると「29曲(ツク曲)にてツクダMADの歴史10年を振り返る」「バトルドーム発売祭冬の12/8投稿」を軸として企画を組みました。
(まとめ系メドレーに限らず、チャー研の東方バグ合作シリーズみたいに特定ジャンル楽曲で組むのもまた選択肢です) 29曲という事で参加者25名前後を想定して招待及び公募を出す方針を決め、招待組を迎えての初期メンバーは14名になりました。
7月末にメドレー完成と招待組パート選定を済ませ、設定した音MAD制作期間は約4ヶ月。
これは企画規模等によって変動するでしょうし、万一の事態を見込んで長めにとってもいいと思います。
(超連弾は主催自身がメドレー担当したレアケースなので、実際はメドレー制作期間込みで考える事となります)

 

■曲目を考える
まとめ系メドレーの方向でいくなら、次の課題は選曲です。
ヒット作を中心とした選曲にするのが基本ですが、まずそれをリストアップするのが大変そう…と思ってるあなた!
そこで『ニコニコランキングメーカーの出番です!
超連弾では選曲基準が1万再生以上なので、ランキングデータ取得形式を「再生数順」「1万再生以上」に設定します。
複数タグを対象にしたい・タグ表記揺れ等を考慮するならOR検索を使いましょう、例えば検索タグにバトルドーム or ツクダオリジナル」を指定すれば両方ヒットします。
ランキングデータTXTはExcelにそのままコピペできるので、これでデータベース完成です。
再生数順だけでなく投稿日順でソートしたり、必要に応じて関数使ったり自由自在に扱えます。 選曲についてはヒット作を中心としつつも、固有のネタがあったり記念的作品の曲を取り入れていくのが望ましいと思います。

超連弾の例だと
スカイハイ→最古のバトルドームMAD
マイムマイム→最大規模のバトルドームの奇跡
チルミルチルノ→デビルドラゴン発祥
ダンロボ・イワシ→MAD震源
稲田姫様→ダークえなり発祥
はじめてのチュウバトルドーム初代殿堂入り
患部で止まって→元祖バトルドームの奇跡

…という感じでネタを拾っていきました。 先のランキングメーカー運用は以降のメンバー選考にも役立つので、操作を覚えておくと非常に捗ります。 今度はランキングメーカー検索を「投稿日順」「2016/1/1以降」と設定します。
そして取得したデータを『GetUserLen』に通して投稿者データを付加します。
これにより2016年以降に活動歴有りの現役・準現役作者をデータベース化できました。
あとは地道にコツコツと声を掛けて回るのみです。
また、オリジナルメドレー合作となると当然「誰にメドレー制作を頼むか?」という課題も出てきますがこれについては後述。

 

■人脈がクソ大事←結論
企画始動に際し、兎にも角にも人脈が大事だと思います。
人脈に自信が無くとも、縁があれば「界隈の強い方の力を借りて共同主催」という手段が採れます。
面白そうな企画だと思えば乗り気で協力してくれる方もいるはずです。
また選曲についてアドバイスを得たりする事も可能でしょう。
実際、超連弾に関してもツクダ界隈に詳しい方から数名のメンバー候補を挙げていただき非常に助かりました。
メドレー担当についてもニコメド作者・ボカロPをはじめとするDTMerとの縁があればなお良し、DTMやってる音MAD作者に頼んでみるのも選択肢になります。
(『十年充電祭』ではメドレー担当に悩んだ主催さんから相談を受けて、ニコメド勢とも交流のある自分が企画参加の依頼及び推薦に動いたという経緯があります)
自らの人脈を活かすにせよ、強い方の人脈を借りるにせよ、結局は人脈がクソ大事なのです。

 

■後書き
個人的ノウハウを書き綴ってみましたが、これらが少しでも参考になれば幸いです。
合作の途中経過~投稿の過程についてはジャンル及び規模等で事情が激変するので、個々人の手腕に任せます(という投げっぱなし)
ただ言える事は「合作を立てたからには責任を持ってやり遂げるべし」これ絶対忘れちゃいけません。
諸事情で延期が見込まれる場合のプランBを考えたりするのも時には必要です。
(超連弾は状況次第で1週間延期して音MADイベ投稿、もしくは「シュゥゥゥーッ!!月」として正月にぶつける構想もありました)
参加者達の協力を無駄にしない為にも、最悪延期してでも完遂する覚悟を持ちましょう。
それでは、良き合作ライフを!!